【屋久島の雨】多いシーズンと少ないシーズン。梅雨時期の魅力と心構え
日本屈指の多雨地帯として知られる屋久島。その雨の多さには、黒潮がもたらす湿った空気と急峻な山岳地形が大きく関わっています。
特に6月から7月上旬の梅雨シーズンは雨の日が非常に多く、時には災害級の大雨に見舞われることも。しかし、その雨が屋久島の森をより神秘的で美しいものにしているのも事実です。
ガイドツアーを利用しながら安全に雨の森を楽しむもよし、大雨の日はホテルでゆっくり過ごすのもおすすめ。屋久島ならではの雨の魅力と、その季節ならではの過ごし方をご紹介します。
屋久島はなぜ雨が多いのか?その理由を解説
日本屈指の多雨地帯として知られる屋久島。その雨の多さには、地理的な要因が大きく関わっています。
まず、屋久島は黒潮と呼ばれる海流がぶつかる場所に位置しています。赤道付近から流れ込む暖かく湿った空気が大量の水蒸気を運んでくるのです。
さらに、屋久島には標高2,000m近い高い山々が連なる急峻な地形が広がっています。湿った空気が山にぶつかって上昇すると、気温が下がって雲が発生。そして雨が降るのです。
つまり、屋久島の多雨は以下の2つの地理的要因によって引き起こされているのです。
- 暖かく湿った空気を運ぶ黒潮
- 湿気を上昇気流へと変える急峻な山岳地形
山肌で雲が次々と発生し、目の前で雨が降る様子を間近に見られるのは、屋久島ならではの光景と言えるでしょう。
屋久島の雨の特徴について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事も参考になります。各地の降水量データなど、気象の観点から屋久島の雨について解説しています。あわせてチェックしてみてください。
屋久島の雨が多いシーズンは6〜7月上旬
屋久島が雨の多い島だとはわかっていても、それでも雨の少ない季節を選びたいもの。
基本的に雨が多い屋久島ですが、それでも少ない季節はいつなのか解説します。
気象庁の過去30年間のデーターを見ると、各月の0mm以上の雨が降った日数と降雨量は以下の通り。
月 | 平均降雨日数 (日) | 平均降雨量 |
---|---|---|
1月 | 25.6 | 294.6 |
2月 | 22.1 | 289.2 |
3月 | 24.2 | 289.2 |
4月 | 22.0 | 405.5 |
5月 | 22.3 | 444.1 |
6月 | 25.6 | 860.3 |
7月 | 21.5 | 362.4 |
8月 | 23.1 | 256.5 |
9月 | 23.7 | 450.7 |
10月 | 23.4 | 309.9 |
11月 | 23.2 | 309.6 |
12月 | 24.5 | 281.8 |
年間合計 | 281.3 | 4651.7 |
雨が多いのはやっぱり梅雨時期の6月〜7月上旬。
ただでさえ雨の多い屋久島なのに、梅雨の季節はさらに雨が多くなります。
誇張するわけではなくて、本当にもう毎日が雨です。
晴れの屋久島を期待するなら、別のシーズンにしたほうがいいです。
雨が多すぎて山へ行く道路が封鎖したり、崩落したりして通れなくなることも無いわけではありません。
屋久島の雨が少ないのは梅雨明けの7月中旬〜8月
データから見ると、降雨日数が少ないのが7月。降雨量が少ないのが8月です。
7月の中旬ころまでは梅雨の場合が多いので、梅雨が開ける7月中旬から8月頃が、雨が少ない季節と考えて良さそうです。
ちょうど、夏休みやお盆休み重なる季節なので、屋久島も1年のうちでも最も活気のある季節です。
トレッキングにはやや暑い季節ですが、雨を少しでも避けたいという方には7月中旬〜8月のこの季節がおすすめですよ。
屋久島の雨が多い季節は何をすればいい?
では、雨の多い季節には何をしたらよいのでしょうか。せっかくだから雨を楽しむのがおすすめです。
関連記事:屋久島の雨の日は何をする?おすすめのアクティビティと観光スポット
雨に濡れた森が最上級に美しいから、森歩きがおすすめ
ただ、雨の季節は森が美しく、捨てがたいものがあります。
特に白谷雲水峡などは、想像を絶するほどの潤い加減。
もしあなたが「屋久島の本気の美しい森を見たい!」ならば、この梅雨シーズンの屋久島を狙ってはいかがでしょうか?
屋久島らしいしっとりとした美しい森に出会えます。
個人的には梅雨時期の白谷雲水峡の圧倒的な緑が好きです。雨は本当に多いし、山に入れないことも多いですが・・・。
屋久島の天気の特徴や降水量の多い・少ない季節についてはこちらの記事を参考にして下さい。
大雨だと危険も多いので、ガイドツアーの利用がおすすめ
しかしながら、屋久島の梅雨は本当に手強いのも事実。川が増水したり、がけ崩れを起こしたりすることもある季節です。
なので、この季節の屋久島の森歩きにはぜひガイドツアーを利用することをおすすめします。
そうすれば、雨の日でも安全かどうかをガイドさんが判断してくれます。
安全をしっかり確保した上で、美しく潤った屋久島の森を楽しんで下さい。
>>屋久島のガイドツアーのおすすめはこちらの記事でご紹介しています。
【梅雨時期の心構え】災害級の雨ならホテルステイを楽しむという心持ちで
もうひとつ、この梅雨の季節のアドバイスです。
本気の梅雨の大雨は「土砂災害」の危険性もあるほどリスクがあります。
だから、大雨の予報が出たら、山に入ることは諦めてホテルステイを楽しむくらいの気持ちでいたほうがいいかもしれません。
ゆっくり、焦らず、できることをする。それが屋久島の梅雨の楽しみ方です。
この梅雨の季節をまとめると、
- 5月下旬から7月上旬頃の季節は本当に雨の日が多いです。災害級の雨の可能性もあります
- しかしながら、森は潤っていて本当に美しいです。
- 森歩きが出来たらラッキー。大雨ならば山歩きは諦めて、ホテルステイを楽しむ。
これが、屋久島の梅雨の季節のアドバイスです。
もっと詳しく6月〜7月の時期の屋久島の雨について知りたいなら以下の記事が参考になります。