いつまでも縄文杉を見られる保証はないかも? と思う理由

こんにちは。屋久島オーセンのガイドの佐藤です。

ここ最近の気候の特徴なのか、豪雨や強風などの威力が以前と比べて大きくなってきているような気がします。

台風の強風や数十年に一度と言われる多量の降水など、屋久島でも今までの経験が通用しないような荒天に見舞われることがあります。

そこで、いつも心配に思うのは「屋久島の縄文杉はいつまで立っているのだろうか?」という疑問。

縄文杉は数千年という長い間、一度も倒れることもなく生き続けてきたわけですが、長く生きているほど体は大きくなり、老衰により体を支える力も低下してくるはずです。

縄文杉をご案内するツアーを開催するものとしては、来年もさらにその先もずっと縄文杉が生き続けているという前提で、ツアーを開催&お客様を募集しています。

ただ、それが未来永劫続くわけでもなく、生あるものは必ず死にゆく日が来るのは間違いありません。

ただ、「長生きしている木はこれからも長生きし続けるだろう」という勝手な先入観を持ってしまっているのですが、最近の天候の猛威を見ているとそれは必ずしも当てはまらないのではと思ってしまうのです。

2009年に倒れた翁杉

実は同じようにいつでも見られるだろうと思っていた巨木が、ある日突然倒れたという出来事が2009年にありました。

幹周りの太さで比べたら縄文杉について太いとされていた「翁杉」です。

推定樹齢は2000年とも言われ(あるいはそれ以上)、屋久島を代表する巨木の一つでした。

この翁杉が倒れた時は台風でもなんでもない穏やかな日で、自重と木に着生する植物たちの重みに耐えきれずに倒れたとされています。

倒れてから解ったのが、幹の内部が90%近く空洞化していたということ。

どうやら老衰により幹が腐り、自分の重さを支えるだけの力が残っていなかったようです。

この翁杉だけではなく、屋久島の森にはかつては立派に立っていた、名のある巨木たちがいまでも転がっています。

トロッコ道沿いに横たわる「仁王杉(吽行)」、屋久杉ランド内「蛇紋杉」などはその代表的な木です。

倒れてもなお存在感を放っているのがすごいですが、やはり立っている時に見たかった木々たちです。

いつかは見たい縄文杉が通用しない時代になってきているかも

よく友人から「いつか屋久島に行って、縄文杉を見てみたい」と言われることがあります。

もしかしたら、この記事をお読みいただいている方の中にもいつかは縄文杉へ!とお考えの方もいらっしゃる方もいるかもしれません。

ただ、一年後、1ヶ月後、1日後、どの未来においても縄文杉が生きている保証はどこにもなく、かつての翁杉のように昨日までは立っていたのに、今日倒れてしまったという日が来るかもしれません。

むしろ、長生きをしているからこそ、生命として死に近いのであり、1日1日その残り時間は少なくなっているはずなのです。

この先ずっと生きている保証はない縄文杉

いたずらに不安を煽るような書き方はしたくないのですが、もしいつか縄文杉を見てたいとお考えの方は、意を決して早めに屋久島にいらした方が良いです。

屋久島は旅行の日数も必要だし、交通費も高額だし、縄文杉に行くのであれば体力と装備の準備もしなければならないので、そう簡単ではないかもしれません。

どこかで「えいやっ!」と意を決さないとなかなか難しいのが屋久島旅行。

ただ、縄文杉も限りのある命ですので、いつまでも長生きしているとは思わず、生きているうちに見ておくのが絶対いいはずです。

写真や映像でしか見たことがない縄文杉を、ぜひナマで実物の迫力を感じたい方はお早めに屋久島にいらっしゃることをお勧めします。