屋久島の天気予報はなぜ当たらない?|降水量や雨の多い月・少ない月
「屋久島の天気予報は当たらない・・・?」
屋久島のベストシーズンは春から秋というものの、天気予報はなかなか当たらないのが屋久島。
それもそのはず、屋久島は風向き1つで天気が変わる場所。
しかも、島の東西南北、低地と高地で気候が違い、
同時刻でも屋久島の中で様々な天気が存在します。
屋久島の天気予報が当たらないのも、特徴的な地形と地理が理由
ということで、この記事では屋久島の天気を予想する際に大切な
- 屋久島の天気の特徴
- 季節ごとの天気の違
- おすすめの天気予報サイト
について解説します。
屋久島の天気予報が当たらないのは、地形と風向きが原因
同じ島の中でも場所により大きく天気が違うのが屋久島。
屋久島の東西南北、低地と高地で天気が違ってきます。
これが「屋久島は天気が当たらない」と言われる理由です。
屋久島の天気の特徴を詳しく解説します。
① 暖流の「黒潮」に囲まれた屋久島は湿度が高い
屋久島は鹿児島から約60㎞南にある島です。
そして上の画像は赤道付近から屋久島近海へ流れ込んでくる暖流『黒潮(くろしお)』の様子です。
赤道付近で暖められた「黒潮」は、上の画像だと台湾の東側から屋久島付近に向かって、勢いよく流れ込んでくるのがわかります。
赤い丸で囲まれているのが屋久島と種子島。
この付近に暖かい黒潮の暖流がぶつかり、その多くは南側をすり抜けて日本の太平洋側沿岸を北上します。
赤道からの温かい海流が直接ぶつかる屋久島付近の海水温は、年間を通して約20度〜30度くらい。
屋久島の周囲は1年を通して温かい黒潮に囲まれ、さながらサウナのように湿度の高い環境に置かれています。
② 屋久島には2,000m近い高い山があり、頂上は北海道並の気温
上の画像をご覧ください。正面に見える陸地が屋久島です。
屋久島の頂上付近は白い雲で覆われいて、屋久島最高峰の宮之浦岳は見えていませんが、あの雲の中に1936mもの山が隠れています。
屋久島には九州でもトップ8までの山があり、まさに山岳島と呼ばれるにふさわしい「山の島」なのです。
一般的に標高が100m上がると、気温は0.6度下がると言われています。
屋久島の頂上を約2000mとすると2000m×0.6度で 、海抜0mの気温よりも「−12℃」低い計算になります。
屋久島の海抜0m付近の年間平均気温はおよそ20度なので、屋久島の頂上付近の年間平均気温は約8度。
これは北海道あたりの気温に相当し、屋久島は南の島にもかかわらず、頂上に行くと北海道の寒さであると言えるのです。
③ 暖かい海からの湿気を、高い山が冷やして雲を作り雨を降らせる
このように温かい海に囲まれ、そして高い山がある屋久島。
海からの湿気が風に乗り、屋久島の山を駆け上がると、山の上で冷やされ雲を作り、そして雨を降らせます。
これが屋久島が雨の多い最大の理由です。
特に雨が多いのは雲ができる山岳地帯ですが、山と里が近い屋久島は山でできた雲が里まで届き、そこでも大量の雨を降らしていきます。
屋久島の年間降水量は沿岸部で4500mm、山間部では10,000mmを超えるとも言われます。
日本の平均的な年間降水量がおよそ1,300mm前後なので、屋久島はその7〜8倍もの雨が降る計算です。
さらに、風向き1つで局地的に雲が作られるので、晴れた日であっても、急に雨雲が現れ雨が降る、というようなことがあたり前なのです。
④ 屋久島の天気予報は直前までわからない
ということで、屋久島は局地的に天気がコロコロと変わる場所。
基本、前日になるまで屋久島の天気予報はあまり信用できません。
山岳地帯ならなおさら、天気予報が当てにならないもの。
天気予報が当たらないのは日常茶飯事です😢
屋久島のお天気を予想するポイントは天気図と風向きと雨雲レーダー。
なので、天気は当日に、天気図と風向きを確認し、気象庁のレーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻):奄美地方で雨雲の情報を参考にするといいです。
とくに、リアルタイムで判る雨雲レーダーはツアーの時の強い味方です。
屋久島の天気を詳しく知るなら、複数の天気予報サイトをチェック
屋久島の天気を判断するときは、複数の天気予報サイトで総合的に判断するといいです。
僕がよく利用しているのは以下の天気予報サイト。
屋久島の天気予報を知りたい
気象庁(鹿児島)
まずは基本の気象庁です。週間天気予報,天気図,雨雲レーダ、台風情報、警報情報等、天気の概要が調べられます。
2週間天気予報
Yahoo!天気予報(屋久島)
一つのページでいろいろな情報が見られるのでサクッと確認したい時に便利です。1時間毎、3時間毎の降水量の予想も見られます。
Windy
ビジュアル的に屋久島付近の風の流れ、雨の強弱などを確認できます。とてもお気に入り。
上記のサイトがみんな同じ予報のときは信頼度も高いです。
逆に、天気予報がそれぞれ違うときは、予報が難しいのだなと考えるようにして、天気の幅を大きめに取ります。
良い方にも悪い方にも大きく外れるかもなあといった具合です。
屋久島の今の降水量を知りたい
鹿児島県河川砂防 情報システム
屋久島各所の実際に降った降水量がわかります。屋久島は場所によって天気が違い、南が晴れていても北は大雨ということも良くあります。特に増水が懸念される白谷雲水峡などはこのサイトで宮之浦地区の降水量をチェックしておくと便利です。
屋久島の天気の平年値【気温と降水量】
過去の屋久島の天気を平均化した「平年値」で屋久島の天気を見てみましょう。
屋久島の”平野部”での気温と降水量の平年値をグラフと表で見ると以下の通り。
月 | 平均気温 | 降水量の合計 |
---|---|---|
1月 | 11.8℃ | 294.6mm |
2月 | 12.3℃ | 289.2mm |
3月 | 14.6℃ | 387.0mm |
4月 | 17.8℃ | 405.5mm |
5月 | 21.0℃ | 444.1mm |
6月 | 23.7℃ | 860.3mm |
7月 | 27.0℃ | 362.4mm |
8月 | 27.5℃ | 256.5mm |
9月 | 25.7℃ | 450.7mm |
10月 | 22.2℃ | 309.9mm |
11月 | 18.2℃ | 309.6mm |
12月 | 13.9℃ | 281.8mm |
年間平均値 | 19.6℃ | 4651.6mm |
降水量は梅雨時期の6月が圧倒的に多いです。
反面、台風の多いイメージのある8月は一番降水量が少ないです。
8月は台風が近づくと大雨をもたらしますが、それ以外の日は高気圧に覆われて天気の日が多いです。
上のデータは屋久島の低地のものです。
山の上はもっと雨が多く、もっと寒いですよ!
ひとことで語れないのが屋久島の天気、さらに詳しくは以下をご覧ください。
屋久島の気温と服装選び
難しいのは屋久島の服装選び、同じ島の中でも麓と山岳地帯は気温が大きく違います。
屋久島でトレッキングなどを予定しているなら以下の記事も参考にしてみて下さい。
天気が心配ならガイドツアーに参加すると安心
屋久島の天気を見極めるのは本当に難しいです。
特に怖いのが白谷雲水峡で沢が増水し引き返すことができなくなったり、かつては増水した沢に流され死亡事故も起きています。
縄文杉や白谷雲水峡などのトレッキングを予定していて、天気が心配ならトレッキングツアーに参加することをおすすめします。
トレッキングツアーなら地元の天気にも詳しいガイドさんが安全な判断をしてくれます。
トレッキングツアーに参加するなら以下の記事を参考にしてみて下さい。
屋久島のベストシーズンを知っておこう
屋久島の旅行シーズンはお天気の具合も大切ですが、屋久島で何をして遊ぶかも大事な要素。
トレッキングなら春や秋、ダイビングなら夏といった感じです。
つまり、屋久島のベストシーズンは人によってそれぞれ。
屋久島のベストシーズンの決め方について詳しくまとめましたので、いつの季節に行こうか悩んでいる方は目を通してみて下さい。
まとめ
屋久島の天気について少し理解していただけたでしょうか。
雨が多く天気予報が当たりにくい屋久島ですが、それだからこそ屋久島の自然が形成されます。
そして、雨上がりの屋久島は本当にきれい。森も苔も潤っていって、これ以上無いくらいの美しさを見せてくれます。
それと、雨が多いから虹もよく診られるのも特徴ですね。
今回は天気の不安定な点に焦点をあててご紹介しましたが、もちろん屋久島でも雲ひとつなく1日おだやかな晴天ということもありますのでご安心を。
屋久島の天気は基本的に雨が降るものと思っておいたほうが、メンタル的にも良いかもしれません。
▼屋久島登山の雨対策を詳しくご紹介しています。
▼屋久島登山の気温と服装について詳しくご紹介しています。