【レビュー】SOTOマイクロレギュレーターストーブ『ウインドマスター』ならもっと早く沸く

登山の休憩中にお湯を沸かしてコーヒーを飲む。なんとも言えない至福なひと時です。

そんな時に必要になるのがストーブと呼ばれるガスバーナーのヘッド。専用のガス缶に装着して火をつければ、山の上でも熱々のお湯が沸かせます。

最近はアウトドアショップに行くと様々なものが売られており、コンパクトなものからセパレートタイプなものまでどれを選んだらいいのかわからないくらいです。

今回、ご紹介したいのは日本のメーカー,新富士バーナーの「ソト(SOTO)マイクロレギュレータ ストーブ ウィンドマスター(以下ウィンドマスター)」というモデル。

その特徴は強風下でも風に強く、低温時でも火力があり、さらに超軽量で扱いやすい、登山初心者の方からベテランの方までメリットだらけのストーブです。

セッティングが簡単だから、ドリップコーヒ一杯が2分15秒後に飲める

最近、各メーカーから発売されるストーブの中には、あっという間にお湯が沸くことを意識したモデルが数多くみられます。

どのモデルも燃焼効率を高めてお湯を沸かす時間が短いのですが、中にはセッティングに時間のかかるものもあります。

お湯を沸かしたい!と準備を始めてから、かちゃかちゃと装置を取り出し、装着して、実際にお湯が沸くまでのトータルの時間を考えると、意外と時間がかかってしまうものも見受けられます。

事実、以前私が使用していた燃焼効率の速さが売りの人気モデルはお湯を沸かそうとしてから

①コンパクトにまとめられている一つ一つ取り出し

②ストーブをガス缶にセットして、

③さらにその上に専用の鍋をセットして点火

とセッティングに手間がかかり、お湯を沸かすのが面倒になってしまいました。

ところがこのウィンドマスターはストーブをガス缶にセットしたら、あとは好きな鍋を置くだけとセッティングがシンプルで時間がかかりません。

実際にテーブルに器具を並べて一杯分のドリップコーヒーを淹れていみると、セッティングから完成までたったの2分15秒でした。コップ一杯分のお湯が湧いたのが1分40秒後だったので、インスタントコーヒーならもっと速いですね。

さらに風の影響を受けづらい仕組みのために野外でも燃焼効率がよく、あっという間にお湯が沸くので、コーヒーを飲みたい時にすぐに飲めてしまいます。

最初、このウィンドマスターを使ってドリップコーヒーを作ろうとした時はドリッパーをセットする前にお湯が沸いてしまってびっくりした記憶があります。

そして、セッティングが簡単ということは反対に撤収も簡単ということです。コーヒーを飲み終わったらさっと撤収してまた山登りを始められる。寒い時期だったら体が冷え切る前にすぐに次の行動を起こせるというのは、本当にありがたいことです。

いつもは山で温かいコーヒーを飲むのは一回だけだったのが、お湯を簡単に沸かせてしまうので2回も3回も飲めてしまう幸せもウィンドマスターがあってこそです。

風に強い秘密はすり鉢状になったバーナ部分と低いゴトク

お湯を沸かすスピードが早い理由の一つが風の影響を受けづらいバーナー部分にあります。炎が吹き出すバーナ部分が周りからの風を受けにくいように「すり鉢状に設計」されているのです。

このおかげで上に鍋を置くとバーナヘッドから鍋の間の隙間が非常に少なくなり、横からの風でも炎が吹き流されることが減り、燃焼効率を高めています。

また、背の低いゴトクもバーナ部分と鍋底の空間が狭くすることに一役買っており、風を受けにくくしている要因の一つになります。

また、さらにこの機構のおかげで、通常風を防ぐためのウィンドスクリーンを使用する必要がなくなり、荷物の軽量化にもつながります。

流石に強風下で全く風の影響を受けないわけではないので、そんな時はザックなどの風防にしてしまえば十分なのです。

湯沸かしに特化した一点集中の炎だけれど、慣れれば炊飯も可能です

さらに熱効率を高めているのが、一点集中型の炎の形状です。

炎が鍋底の真ん中へ集まり、そこから全体に広がる設計なので、まんべんなく鍋を温めることができます。

もちろん、炎の強さを最大にすれば、鍋底に当たった火が広がり、鍋の外へ逃げていきますが、そこは炎の強さを調整したり、鍋底の広いコッヘルを使うなどすれば、さらに熱効率を高めることができるでしょう。

この炎の形なので、どうしても鍋の中心に熱が集中してしまいます。お湯を沸かすのには最高なのですが、ご飯を炊いたり調理をしたりする時はやや炎の強さを中火以下に落としてあげると、焦げが少なく調理も可能です。

お湯を沸かす時はスピーディーに、調理をする時には少し抑えめにすれば、様々な料理にも対応可能です。

低温下でも火力が落ちづらいマイクロレギュレーター機構

このSOTOマイクロレギュレーターウィンドマスターのもうひとつの特徴が、低温下の環境でも火力が落ちづらいところです。

ガス缶タイプのバーナーは気化させたボンベ内の液体燃料を燃やすわけですが、液体が気化する際に周りの熱を奪います。そうするとガス缶の温度が下がってしまい、今度は液体を気化させるだけの熱が足りなくなり炎の燃焼力が下がってしまいます。

この欠点を解消したすごい仕組みがマイクロレギュレーター。

この仕組みは難しく説明を聞いてもすべて理解できないのですが、ガス缶内部の圧力が高い時はガスの流出を抑え気味にして、逆に圧力が低いときはガスの流出を増大させるような謎すぎる機構が内部に仕込まれているとのこと。

バーナー内部に仕込まれたバネがこの機構を実現させているそうです。

このおかげで、通常燃焼力が落ちてきそうな低温時や継続して使用している時でも火力の低下が起こりにくくなります。

超軽量級の67gでいつでも持っていける気軽さ

このウィンドマスターは超軽量級なのも見逃せないポイント。

なんとその重量はたったの67gです。

バーナーヘッドは金属の塊なので、大きくなるほど重量が重くなります。そして重たいストーブは持って行くに躊躇してしまいます。

小型のガス缶とチタンのカップと合わせれば350gほどに収まります。500mlほどのサーモスが210gほどですので、わずかな重量差でいつでも熱々のコーヒーが飲めてしまうわけです。

さらに、驚くほどコンパクトで、重量も軽い設計で荷物の負担になりません。これだけの機能を踏まえた上に、軽量性もトップクラスというのはさらに驚かされます。

ウィンドマスターならお米も上手に早く炊ける

ほとんど欠点が見つからないほどの『SOTOマイクロレギュレーターウィンドマスター』ですが、その一点集中の炎の性質のためにお湯を沸かす以外の調理に工夫が必要ということです。

例えばお米を炊くときも、うっかり目を離すと、あっという間に沸騰して、米が焦げ始めます。その他、炒め物なども鍋の中心を温め続けるので、頻繁に食材を動かさないと焦げ付きの原因になります。

ただ、すごいのがトロ火調理もできるように微妙な火加減を調節できるつまみ部分。他メーカーのストーブの中にはつまみ部分の遊びが多すぎて、狙った火加減にできないものがあります。

ところがこのウィンドマスターは微妙な火加減でもピタリとつまみが止まってくれます。とろ火調理を意識して、つまみもしっかりとした作りになっているのでしょう。

少し慣れれば米を炊くのも、炒め物をするのも、煮込み料理を作るのも問題はなくなるでしょう。

マイクロレギュレータ機能付きの4本足五徳がおすすめ

SOTOのホームページを拝見すると、マイクロレギュレータ昨日の付いていない廉価版の「アミカス」という似たモデルもありますが、長く使うならやはり「ウィンドマスター」がおすすめです。

さらに、標準では3本足の五徳がついているウィンドマスターですが、オプション販売している4本足五徳に替えておくと、十数グラム重量が増しますが少し大きめのコッヘルなどでも安定感が増します。

五徳は取り外し可能なので、ストーブ本体とは別々に分けることもできますが、そのままつけっぱなしでもそれほど大きさが増えるわけではないので、私はいつも五徳はつけたままです。

ふと気づくと、ずっと使い続けているストーブ

ふと気づくともう何年も愛用しているSOTOのウィンドマスター。さすがに点火スイッチは壊れてしまって今はライターで点火していますが、炎の色も綺麗なブルーで燃焼不良などの問題も起きていません。思えば今までノートラブルです。

軽量・コンパクト、高い燃焼効率とスピード性、セッティングの簡単さ、そしてアウトドアでもとても重要な頑丈さ、これ以上の製品が世に出てくるのはずっと先だろうと思わせてくれるほど、不満の少ないストーブです。

このウィンドマスターを使い始めて、山でお湯を沸かしてコーヒーを飲む回数が増えました。強風下でもコメ炊きを失敗することが減りました。もうそれだけでも、山行のクオリティがぐっと上がります。

調理を要するテント泊の山行だけではなく、山小屋泊や日帰り登山時でもいつも連れて歩きたい高性能なストーブです。

確実に山のコーヒーの回数が増えてしまう「SOTOマイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310」のご紹介でした。