【レビュー】グレゴリーバルトロ75L(2018)を使ったら腰痛がなくなった!という話

こんにちはオーセン屋久島のガイドの佐藤です。

今回は最高のフィット感を生み出してくれる、大型ザックグレゴリーバルトロ75のご紹介です。

グレゴリーといえばザック界のロールスロイスとも呼ばれるほど、快適な背負い心地を生み出す、最高品質のザックメーカー。

実はこのザックを選んだ理由が登山時の腰の痛みでガイドの仕事が続けられないかもという切実な悩みから。体に蓄積した長年の疲労と加齢と、体を鍛えることを怠ったツケが腰痛という形で現れ始めたからです。

今回はそんな腰痛に悩まされていた私を救ってくれたザックであり、今現在、ザックのフィット感に悩んでいる方や、登山時に腰の不調に悩んでいる方にオススメしたいグレゴリーバルトロ75(2018モデル)の使用レビューです。

ザックのフィッティングと腰痛の関係

少し前置きが長くなりますが、腰の痛みの発生とザックが関係しているということがわかるまでの経緯をお話ししておきたいと思います。

私はガイドという仕事柄、宿泊ツアーでは20kg以上の荷物を背負って歩きます。

出来るだけ体の負担を軽くするために、ここ数年はアークテリクスのNOZONE75というざっくを使用してきました。

とてもお気に入れのザックでフィット感も悪くなく、おまけにザック自体の重さが1.7kgととても軽量&作りも丈夫だったため、5年ほど使い続けていました。

ところが最近になって山を歩いている途中に、瞬間的にビリッと声をあげたくなるほどの鋭い痛みが腰を襲うようになりました。さらに、下山後に同じ姿勢で車を運転していると腰が固まり、車からスムーズに降りられなくなることもありました。

ぎっくり腰というわけではないのですが、瞬間的な動きに対して急に腰が悲鳴を上げ始め、日常の様々な動きが緩慢になり、大きく足を上げることもできません。

初めのうちははストレッチやカイロなどで患部を温めて誤魔化していたのですが、根本的な解決にはならず、このまま治らなければガイドの仕事自体を引退しなければいけないほど追い込まれました

腰痛の原因は背中の疲労にあった。

なにはともあれ腰痛の原因究明のために病院へ。

レントゲンを撮り、骨の異常では無いということがわかり、まずは一安心。ではどこに原因があるのかと色々と調べてもらうことに。

お医者さん:

「それでは、他の原因を探ってみましょう。ちょっと叩いて見るから痛いところがあったら教えてね。」

と、直立させられて背中の肩から腰までをトントンと上から下まで叩き始めました。

すると、一番ビリビリと痛みが走ったのは腰ではなくなぜか背中の中央付近

私:

「背中のあたりが一番ビリビリと痛みがあります。」

お医者さん:

「ああ、ここに疲れがたまっているんだね。原因は腰ではなくて背中だよ。レントゲンでみると背骨のカーブも少しまっすぐだし」

お医者さん曰く、腰痛の原因は腰にあるのではなく、背中の疲労なのだそうです

てっきり、腰に問題があるものだと思っていたので、この指摘には自分でもびっくりしたのですが、どうやら

  1. 背中の一部に疲労がたまり、
  2. 筋肉が硬く柔軟性が失われていて、
  3. その影響で腰に痛みが走っている

とのこと。

体を動かした時にバネのような働きをする背骨のカーブがまっすぐになりがちで、衝撃を吸収できずに腰に負担がかかっているのが原因らしいです。

なるほどそう言われてみれば、昔に比べ背中が猫背になりがちな気がしていました。重い荷物を背負うことで、どうしても前かがみになりますので。

とりあえずその日の病院では、背中を中心としたストレッチ方法を教わり帰宅しました。

まずは普段使っているザックの調整をしてみたけど

帰宅してまず考えたのは普段使っているザックが体に合っていないのでは?ということ。

それまで使っていたのはアークテリクスのザックで75Lの大きさ。軽量化に特化したザックでそれ自体の重さが1.7kgととても軽いのがウリのモデルです。

このザックは各部の作りが感動的なほど頑丈で、何年使っても力の加わるショルダーベルトなどの縫製箇所がほつれることなく、お気に入りの一品です。

そしてこのザック背面は背中にフィットするようにアルミの棒が2本入っていて、この棒を背中のカーブに沿わせることで、からだにフィットさせる仕様。

このカーブの調整を色々試行錯誤をして体にフィットさせて使ってみました。本人は体に合っていると思ってはいるのですが、やはり使用中や使用後に腰痛が出るという状況でした。

腰で荷物の荷重を支えるグレゴリーなら背中の負担を減らせるかも

それでは体に負担をかけないザックは無いのかと探してみると、荷物の荷重を腰で支えるグレゴリーのザックなら背中の疲労を軽減するのでは?との仮説に達しました。

その優れたフィット感からバックパック界のロールスロイスなどと言われるグレゴリーのザック。街でもデイバックやヒップバッグなどで有名です。

実は10年ほど前に仕事の道具としてグレゴリーのバルトロを使用していていました。容量は85リットルと大きめのザックです。

10年も経つとその時の背負い心地なんて、あんまり覚えてはいないものなのですが、重たい荷物を支えるためのヒップベルトがしっかりしていて、重量を腰で支える構造だったのが印象に残っています。

また、荷物を腰で支えるためにショルダーベルトへの荷重が少なく、肩などの上半身の負担がとても少ないザックでした。

もし仮に上半身の肩から背中にかけて荷重がかかりすぎて、背中の筋肉を酷使しているのであれば、腰で支えるグレゴリーなら背中の疲労が軽減するのではと考えたわけです。

 

結論から言うと、このザックに変えた直後から登山後の腰痛が嘘のようになくなりました!

登山中の姿勢が明らかに良くなり、肩への荷重が減ったために、背中の筋肉の疲労がなくなりました。試しに、いつも疲労が溜まっていた背中の部分を叩いてみても痛みや違和感がありません!

あんなに悩んでいた腰痛がザック一つで無くなったのが何よりも驚きです。

ただ、最初はフィッティングに慣れが必要で、ザックの最適なポジションが分からず、腰で荷重を支えるコツがわからず、肩が痛くなったり、逆にヒップベルトを締めすぎたために腰の前の出っ張った骨が圧迫され痛かったです。

けれども、ヒップベルトの上端を腰の出っ張った骨より2.5cmほど上に来るようにセットしたら、その痛みもなくなりました。

フィッティングだけじゃない、グレゴリーバルトロの使いやすい機能をご紹介

前置きが長くなりましたが、グレゴリーバルトロのその他の優れた各機能をご紹介していきたいと思います。

とても、多機能なグレゴリーバルトロシリーズ。グレゴリーの多彩なラインナップの中でも機能とフィッティングに重点を置いたしたシリーズのようです。

それではグレゴリーバルトロ75の機能面を見ていきましょう。

肉抜きされたメッシュの背面で濡れても乾きやすい

通気性の高いメッシュ素材に覆われた背面部分。内部のフォームも肉抜きされていて軽量化が図られています。

他メーカーのザックでも通気性を考えて背面がメッシュになったものが多いですが、汗はかくものの背中がムレて痒くなるなんてことはありません。

これだけの容量のザックを背負っているのでたっぷりと汗はかきますが、やはりムレないというのはとても長期間山で背負うザックならば必須です。

さらに汗で濡れた背面も山小屋で1泊すれば翌朝にはカラリと乾いています。これが非常にありがたいです。せめて朝一番でザックを背負うときは背中は乾いていた方が気持ちがいいですから。

滑り防止のラバー素材を配した腰のパッドが適正な位置をキープ

このヒップにあたる部分は滑り止めになるラバー素材が使われていて重たい荷物でもずり落ちずに的確にフィットします。

これが非常に快適&感動でした。

重たい荷物を背負っていると、ずりずりとザックの位置が落ちてきて、時々よっこいしょとザックの位置を上にあげる動作をしたりしますが、あれをすることがなくなりました。

また、荷物の位置がずり落ちないので肩への負担がほとんどありません。肩の痛みから解消されたのもこのヒップのラバー素材のおかげかもしれません。

このシンプルなラバー素材の滑り止めがあるのとないのとでは大違いです。

この辺は10年前のモデルにはなかった部分ですね。

腰へのフィッティングの微調整に使えるランバーパッド

腰ベルトのフィッティングの微調整に使える、取り外し可能なランバーパッド。

このパットを入れると、さらに腰へのフィッティング圧力が高まります。

ここは好き嫌いがあるかもしれませんが、私の場合は腰への圧力が強く感じるので外して利用しています。重点的に腰の後ろあたりへ荷重を求めるならば、セットして利用すると良いでしょう。

重い荷物を受け止めてくれる、頼もしいヒップベルト

厚みのある腰ベルト。

一番荷重のかかる部分ですから、この腰ベルトがしっかり作り込んであるのがグレゴリーの特徴のひとつです。

荷物の重さを全部受け止めてやるぜ!くらいの頼もしさを覚えるベルトの厚みです。

考えてみると肩のベルトよりも、腰のベルトの方が太くて分厚く作られているのは、そこで荷物を支えますよというパーツだからですよね。逆にこの腰のベルトの作りを見ればそのザックがどういうコンセプトで荷物を支えるかがわかるというものです。

最近人気の軽量ザックはこの腰ベルトがそれほど分厚くはありません。コンセプトとして荷物を背中全体で背負うという事なのでしょう。

そのおかげでザック自体の重量を抑えることができ、軽量化に貢献できます。

左右についたヒップベルトポケット

腰の部分には両方にコンパクトなポケットが付いています。

腰ベルトの左右についているポケット。左側はメッシュ生地。反対の右側は防水性のある生地で作られています。行動中にすぐに取り出したい行動食などを入れるには便利です。

公式ホームページではスマホなどが入りますよと提案されていましたが、私のスマホGalaxy note8はサイズが大きくここには入りませんでした。

やはり行動食や地図コンパスを入れるのが定番でしょうか。

厚めのショルダーベルトで肩への負担を軽減

腰に加重することが基本のグレゴリーバルトロですが、肩への加重が多くなった時でも厚めのショルダーベルトで痛みがありません。

もちろん、ザックのサイズが自分の体に合っていて、ちゃんとフィッティングが行われていればの話ですが、1日の山行が終わった後に肩が赤くなっているなんていうこともなくなりました。

背面の長さを変えられるシステム

グレゴリーバルトロのサイズは大まかにS、M、Lの三つのサイズがあります。このサイズの選び方は身長ではなく背面長で行います。

背面長の測り方は公式のページにも出ていますが、実際にアウトドアショップで店員さんに測ってもらうのも良いかもしれません。

公式ページ:https://www.gregory.jp/fit/proper_torso_measurement

参考までに背面長の長さが50cmだった私の場合はサイズがMでした。

さらに、ザック自体に微調整するための機能もあります。背面のパッド上部のバックルを外すとショルダーベルトの連結部が上部2段階に別れています。

この部分で自分の肩の位置に合うように調整してみてください。

何度か試していくうちに ぴったりの位置がわかるはずです。

多数のポケットで表記以上の容量がある

このグレゴリーバルトロは75 L の容量の表記ですが、ポケットがたくさんあるので容量以上の荷物を積み込むことができそうです。

雨蓋上面のポケットは左右に分割されていて2気室となっています。内部で繋がっていないので、大きなものは入りません。

雨蓋の裏にも大容量ポケットが。

このポケットにはザックカバーが標準で装備されていました。

私は標準のザックカバーは利用せず、もう少し大きめのザックカバーを購入&晴れでも雨でもザックカバーを付けっ放しています。

雨蓋の位置は固定ではなくストラップにて上下に移動可能なので、ザックの容量が増えた時でも調整可能です。

ザック前面に2つの仕分けされたポケットがあります。

大きなものや長いものははいりませんが、すぐには取り出さない小物類などはここに入れると便利です。

レインウェアなどを入れるのにちょうどいい、ザック前面の大型のポケット。伸縮性のあるメッシュ素材なので、濡れたものをたくさん入れることができます。

実際、以前使っていたアークテリクスのザックも容量が75Lでしたか、ポケットの数が少なく、ほとんどをメインの荷室に放り込んでいました。

それに比べてグレゴリーバルトロ75はポケットの容量も大きいので、同じ量の荷物をあちこちのポケットに積め込むと、メインの荷室に空きスペースができました。

このあたりの容量の表記はメーカーによってまちまちのようです。

荷物を探しやすく、出しやすいフルオープンするザックの前面

ザックを平置きにして前面のファスナーを開けば、ザック内部に大きくアクセスできるようになります。

大型ザックになると内部に入れるアイテムの数も多くなりますので、探したいものに素早くアクセスできるのはとてもありがたいです。

購入前はこの機能はあまりつかはないかもと思っていたのですが、一度この機能の良さを知ってしまうと、頻繁に使うようになりました。

ザックの右側にはアクセスしやすいボトルホルダーが。

アクセスしやすいので、水をこまめに飲むことができます。特に暑い時期は大量に水分を取る必要があるので、ボトルを取りやすさによって、水を飲む回数が増え、脱水症状などのリスクを減らすことができます。

これって意外にパフォーマンスを左右する大事なポイントです。

500mlのナルゲンボトルでもよゆうがありますので、1000mlのサイズでも大丈夫そうです。

もちろんストックホルダーもあります。ワンクリックでセット&リリースできるので、こちらも使いやすい機構になっています。

ザックのボトムにアクセスしやすいようにファスナーがあります。ここには寝袋やテントなどが入るのですが、テント場で素早くテントを出したいときなどに便利ですね。雨が降っている時のテント設営時はザックの中身を全部出すことなく、テントにアクセスできます。

サイズがピッタリすぎるのが悩ましい付属のザックカバー

親切なことにザックカバーも最初から付属されています。ザックにちょうど良いサイズなのですが、ザックのポケットやザック外部に物を入れたり装着したりするとこのザックカバーでは収まらなくなります。

例えば、サーマレストのマットなどをザック下部に括り付けると、このザックカバーではザックを覆いきれなくなってしまいます。

ので、私の場合はもう少し大きいザックカバーを利用します。

ザック自体が重さが注意ポイント

このグレゴリーバルトロ75の多機能さとフィッティングの良さの引き換えにザック自体の重さが注意要素です。

バルトロ75L Mサイズ 2626g!

それまで使っていたアークテリクスの75リットルのザックは1700g程度の重さでしたので、ザックだけで1kg程度の重量増です。

たかが1kgなのですが、足への負担が増えたようで、いつもと同じコースを歩いても、翌日の筋肉疲労が大きかったです。この点は荷物の軽量化や筋力の増強などでカバーするしかありません。

最近のアウトドアアイテムの軽量化の流れの中でも、いたずらに極端な軽量化を目指さないというのがこのグレゴリーバルトロシリーズのコンセプトなんだなと思いました。

これはつまり、背負い心地や機能を犠牲にしてまで、ザックの軽量化を目指すつもりは無いということなのでしょう。

今までのザックよりもちょっと重いグレゴリーバルトロですが、このザック重量1kg増で元々の悩みであった腰の痛みが無くなるならば、全然アリです。

ザックの重量増加分は他の荷物を減らしたりすることでなんとか軽量化を計ればいいこと。

また、グレゴリーの別シリーズであるパラゴン68などは容量はやや減るものの、ザック重量が1700g程度に抑えられているので、軽量化を考えるならばこちらのザックを検討するのも良いでしょう。

アウトドアショップの店員さんも、軽量なパラゴンがよく売れていると言っていましたよ。

まとめ やっぱりグレゴリーは体に優しく使いやすいザック

簡単ですが、グレゴリーバルトロ75をレビューでした。

総じて感じたことは、やっぱりグレゴリーのザックは体へのフィット感をよく考えられて作られているなということでした。

このザックに変えてから何度も重たい荷物を背負って山に登ってみましたか、今のところ腰痛は出ていません。

私の場合、腰痛の原因となっていたのは荷物を背負った時に上半身に荷重がかかりすぎていたために背筋が疲弊し、その影響で腰痛が起きていたと考えられます。

このグレゴリーバルトロを使用することで、上半身の背筋の疲労を軽減することにつながり、腰痛の緩和につながったのでしょう。

また、フィッティングの良さだけではなく使いやすさも考えられているザックでした。多数のポケットの配置や使いやすいペットボトルホルダーなど、痒いところの手が届く的なザックです。

アクセスしやすいポケットや、使いやすい機構は山行時の時間短縮につながり、結果的に登山のパフォーマンスの向上に寄与します。

その点、このザックを選んで大正解でした。

その反面ザック自体の重量が増えた事は意外と足腰の筋肉の疲労に繋がっています。

良く「グレゴリーは背負うと重さを感じさせない」と言われることがあります。

これも、荷物を腰(骨盤)で支えるということは人間の体の中で一番大きな筋肉と言われる下半身の筋肉(大腿四頭筋群)を中心に使うので、ザックのバランスの良さも手伝って、荷物を手で持ち上げた時に比べて荷物の重さが軽く感じるためにこのように言われるのでしょう。

ただ、背負った時に軽く感じるからといって、決して荷物の重量が軽くなったわけではないので、足腰の筋肉はしっかり鍛えておく必要と、自分が持つことができる荷物の総重量というのはしっかりと把握しておく必要がありそうです。

グレゴリーのバルトロを使いこなせる男になる為に日々の足腰の鍛錬を怠らないようにしたいと思います!

また、グレゴリーにはこのバルトロの他にパラゴンと言うシリーズもありますので、ザックの重量を気にするならばこちらのザックも検討してみてもいいかもしれません。私のこのパラゴン68の軽さに心が傾きつつあります。

いずれにしても、今ザックのフィット感に悩んでいる方や背負い心地の良い大型ザックをお探しの方はグレゴリーのバルトロもぜひご検討してみてはいかがでしょうか?